施工例 和歌山上富田町 M様邸

設計コンセプトとエピソード

土地探しからでしたが、当社にご相談をいただいた時点ですでにご自身で土地を決めておられたM様。いくつかの住宅会社からプラン提案も受けておられ、各社の提案力、仕様、性能、そして価格を総合的に判断した上で当社をお選びいただきました。
 
真っ先に挙がったご要望は、旦那様の「土間ガレージが欲しい」というものでした。当初はシャッターを付ける予定だったのですが、シャッターでは気密がとれないので土間ガレージを断熱区域外とせざるを得ないため、夏冬に快適な空間とはなりません。このことをご説明した上で再検討し「冬や夏でも快適に使える場所にしたい」ということになったので、外部とは勝手口テラスドアを通じて出入りできる仕様としました。全館空調がモットーの当社ですが、総合的に判断してここには個別のエアコンを取付ける予定としています。ちなみに土間床のモルタル仕上げは時期や太陽の当たり具合によっては写真のようにヘアクラックが生じてしまいます。程度の差こそあれ、これはモルタル仕上げである以上避けられない現象ですので採用の際はよく検討しましょう。
 
２階には電子ピアノを置くためにホールをかなり広めに設計しつつも、居室も３部屋確保。もちろん１階LDKも約17帖と十分な広さを確保しており、さらに洗面脱衣室にはワイド1600のアイカ工業製・大型洗面化粧台を設置して水まわりもゆったり確保。上記の土間ガレージを含めてこれでよく32坪台にまとめられたなと我ながら思います。敷地は約50坪あるのですが、かなり台形の変形地のためこれ以上家のボリュームが大きくなると駐車スペースが非常に使いにくいものになってしまいます。特にアウトドアがお好きなお客様はクルマも大型４駆になる方が多く、なおさら駐車スペースには余裕が必要となります。「家は要望を満たせる最小面積で建てるべし」がいかに大切かを改めて教えてくれる事例です。
 
敷地の南側は水田で大きく拓けており、小さい裏道からの視線さえ遮れば陽当たりは抜群の立地のため、南面はハキダシ窓を連ねて配置しました。冬場はこのお家のすべての南面の窓から、日の出から日の入りまで余すことなく日射が取得できることがシミュレーションによって確認できています。また建物形状の凹凸を利用して庭が他のお家から見えないように設計しているため、陽当たりの良い庭は極めてプライベートが守られた場所となります。LDKからウッドデッキを介して芝生の庭につながるなんて、まさに注文住宅の良さが詰まった演出だと言えるでしょう。